■ 株立ちの樹について
株立ちとは、樹木の生え方の種類のひとつで一株の茎や枝が地ぎわから3本以上立ち上がり、樹形を形作る状態のことです
前項で「ヒメシャラ」などの雑木類が人気があると書きましたが、その中でも「株立ちの樹」は特にお勧めです
理由は、大きさの維持がしやすく、空間に奥行きがだせる、同じ樹高の単木のものに対してボリュームが出せる、等々の理由がありますが、この株立ちの樹に2種類あることをご存知ですか?
1つは、ある程度生長した樹を根元まで切り戻して、再萌芽させたもの、「本株(ほんかぶ)」とも呼ばれます
もう1つは数本の苗木を同じ場所にくつけて植えて生長させたもの、俗に「寄せ株(よせかぶ)」といわれるものです。
本株は育てるのに数年を要しますが、寄せ株は即製栽培ともいえるものです
寄せ株は本株より価格はやや安くなりますが、株元の形の味わいはありません。ただ「シマトネリコ」は株立ちの殆どが寄せ株だと思われます
■ 庭木の手入れ(剪定)をいつ(何月)にしたら良いのか?
植木屋がお客様から受ける問い合わせのうち最も多いものです。
答えは・・・「何とも言えません!」
というのも、「樹」にはそれぞれに適した剪定時期があります。
また、「何のために剪定するのか?」とういう「目的」によっても違ってくるからです。
例えば、
1. 「ツツジ」や「サツキ」類は、花が終わったらすぐに刈り込みを行えば、翌年も花を咲かせてくれます。
ただ、その時期の「クロガネモチ」はすでに花をつけているので、剪定を行えば花を落としてしまう事になり、晩秋の赤い実は少なくなってしまいます。
2. 「マキ」の刈り込みは、綺麗に刈り込まれた姿を長く維持したいのであれば、新芽が固まった後に行うのが良いのですが、バッサリと枝を切って形を作りたいのであれば、新芽が固まらないうちが良い・・・。
といった具合に、「お客様の庭にはどんな樹が植えられているか。」それらのうち、「どれを優先するのか」がわからないと判断のできないということになります。
■「連作障害」について
「連作障害」という言葉は、庭木が好きで庭の手入れをご自身でやられるような方でも知らない人が多いようです。むしろ、家庭菜園をやっている人の方がご存知でしょう。
「連作障害」の言葉のとおり同種のものを続けて作る(植える)と障害がでるということです。
一般的な植木で、特に顕著なのが「ツツジ・サツキ類、椿(ツバキ)・山茶花(サザンカ)類です。」
これらの木々には、以前それらが植えてあった場所にはできるだけ植えない。
どうしてもという場合には、「土を入れ替える」 それも無理という場合は、ピートモス(※)をたっぷりとすき込むといった事が大事です。
(※ピートモス:酸性で保水性が高く園芸用土に適する。ミズゴケなどが堆積してできた泥炭。)